虹の向こうへ着実にコマを進めた日向坂46、BRAND NEW LIVEで放った強いメッセージとは?後半戦、大きなヤマ場となったのが五期生によるコーナーだ。最新シングル『Love yourself!』収録、初の五期生による楽曲「ジャーマンアイリス」を披露。大野愛実がセンターを務め、ハンドマイクによる五期生の歌声はとてもフレッシュで、この初々しい感じは今しか味わえないものだと思う。この五期生からレインボーカラーをあしらった白のワンピースドレス衣装に。気づけばおひさまが手にするサイリウムも見事な七色が場内を埋め尽くしている。

待ちに待ったコラボレーションでは、四期生による「シーラカンス」には大田美月、大野愛実、片山紗希、高井俐香が、三期生の「パクチー ピーマン グリーンピース」には盛妃那乃、坂井新奈、佐藤優羽が、二期生曲「You’re in my way」には下田衣珠季、鶴崎仁香、松尾桜の五期生がそれぞれ加わっての共演で喝采を浴びた。正源司陽子センターの「シーラカンス」はステージ壇上で歌い踊った彼女たちだが、レインボーのスカートをひらりと翻したり、揺らしているのが実に美しく、ソカビートテイストがユーモラスな「パクチー ピーマン グリーンピース」では山口陽世がセンター。場内のサイリウムがグリーン一色に染まる中、愛らしいダンスを踊る7人。なお“ごめんね”の締めはなんと五期生・佐藤優羽! 山口陽世が奨めたのだそうで、まさかのサプライズとなった。

二期生エース、河田陽菜をセンターにした「You’re in my way」もゴリゴリの重低音がうねるEDMチューンで、ラップ調のリズミカルなヴォーカルパートが聴きどころ。各々、階段セットを交えてローテーションで位置が代わっていくステージングもなんともカラフル! 五期生のMCコーナーでは森本茉莉の仕切りで、高井俐香や佐藤優羽、松尾桜に感想を語らせる。中でも高井俐香が面白かった。“ひだまりのように温かい四期生の先輩方と、儚くて幻想的な「シーラカンス」を一緒にできたことが、かけがえのない思い出になりました”……言いよどみながらも、この文学性を感じるフレーズがパッと出てきたのなら凄い。急とも言える晴れの舞台できっちりと役割を果たした10名。この先の大いなる予告編も見せてくれたような手応えがあった。

カラフルなレーザー演出も際立ったクライマックスは、まず四期生・正源司陽子と藤嶌果歩によるWセンターの「永遠のソフィア」から。四期生・石塚瑶季、清水理央らが切れ味たっぷりのダンスを見せたのを皮切りに、メインステージとセンターステージで分かれたメンバーが、各々ダンスパフォーマンスの応酬を見せるなど、代々木第一体育館のステージが狭く見えてしまうほどの、はじけたステージングでおひさまを煽る、煽る、煽る! 正源司陽子、藤嶌果歩の柔らかな歌声もこの曲ならではだった。

そして一旦メンバーがステージから消えて、フロアを突き動かすかのような重低音と共に、赤のバックスクリーンに黒いシルエットが映し出されたかと思えば、前半のモノトーン衣装の連作と思えるものながらも、それとは違うセットアップドレスを着用した五期生メンバーが再登場。よく見ると坂道シリーズ特有の二等辺三角形を模した何パターンかのデザイン。こうした演出におひさまのボルテージがますます高揚していく中で披露したのは、なんと「絶対的第六感」。大野愛実、松尾桜のWセンター構成で、五期生だけによるパフォーマンスである。随所で“BRAND NEW”な試みが披露されたのが、本公演の楽しみどころだった。

藤嶌果歩センターの「見たことない魔物」では再び四期生メンバーが勢揃い。センターステージも用いた激しいダンスも織り交ぜて、さらにはおひさまによるメンバーコールも満載。会場一体化しての激しい盛り上がりを見せた。そして「君はハニーデュー」で二期〜五期メンバーが同じステージに登場、正源寺陽子がキュートな笑顔でおひさまを煽りながらセンターを飾る。曲中の“おひさま、これからも一緒にいてください!”の言葉も胸に残ったし、それでいて正源寺陽子がウインクをキメた瞬間にキャノン砲から虹色の紙が放たれたのなんてまさに圧巻だった。

続いて五期生がステージから降り、二〜四期選抜メンバーによる「卒業写真だけが知っている」、さらには二〜四期オールメンバーで最新シングル「Love yourself!」を披露。2曲とも再び小坂菜緒をセンターにしてのパフォーマンス。特に「Love yourself!」は“Oh Oh Oh,Yeah,Yeah,Yeah”のシンガロングパートといい、日向坂46の新たなキラーチューンが生まれた印象。メンバーとの絡みやハグ、指先まで美しいキレのあるダンス、そして小坂が締めるところを締めての大団円。“BRAND NEW”な演目を盛り込みつつ、小坂菜緒中心の楽曲でサンドイッチさせることで、安定感も備えた練りに練られたセットリストだったのである。

イベントTシャツに着替えたメンバーが飛び出してきたアンコールでは、まず「愛はこっちのものだ」。一期生が歌っていた楽曲もちゃんと歌い継いでいく、というさりげないメッセージだったと思う。そして最後の最後に用意されていたのは「僕に続け」。キャプテン・髙橋未来虹もラストMCで語っていたが、“どんな困難も 盾になるよ 夢ある者 僕に続け”というこの強いメッセージを、まさにこのタイミングで発することこそ、新体制で動き始めた日向坂46の気持ちそのものだろう。どうしたってこれからも別離だったり予期せぬことだって起きるのかもしれないけれど、いずれにせよ、そうした人の気持ちをも全部受け止めた上で進んでいくんだ!という大きな誓いをして、9月からの全国6都市13公演にわたるツアーに突入していく日向坂46。五期生という頼もしい後輩を獲て、ダンスパフォーマンスという大きな武器に、既存のグループとは違うメッセージを放つ存在へ、また着実に1コマを進めてみせた、記憶に残るステージであった。五期生による“おもてなし会”に続き、東京・国立代々木競技場第一体育館にて5月28日・29日に2デイズ開催された日向坂46のBRAND NEW LIVE「OVER THE RAINBOW」。開演前から満員の“おひさま”から巻き起こっていた熱いコールは、ステージ袖のメンバーにはどのように響いていたのだろうか。4月の「6回目のひな誕祭」にて、一期生・佐々木久美より副キャプテンを務めていた三期生・髙橋未来虹へキャプテンのタスキを委ねて一期生が全員卒業……まだあれから2ヵ月も経っていない。かなりの急展開ゆえ、乗り越えなければならない試練ととらえる方もいただろう。

【写真37枚】写真で振り返る新生・日向坂46のBRAND NEW LIVE、フレッシュな五期生や卒業を控える富田鈴花のソロショットも

だが、筆者が観たDAYS2での彼女たちは、かなり攻めたセットリストでのこれぞという進化劇を見せてくれた。正直、音響面で不利な印象もある代々木第一体育館だが、PAテクノロジーの進歩によりかなりイメージが変わってきた。特に今回のようなEDM系フィーチャーで攻めた意欲的なセットリストにおいては、いわゆるドープなロー感というか、重低音の迫力も追い風にしていたと思う。3月に加わった五期生の門出には嬉しいフォローウインドだったし、何より彼女たちのフレッシュさがうまい具合に作用したステージだった。サウンドチームの尽力にも拍手を贈りたい。

大音量による「Overture」で左右スクリーンに出演メンバー紹介が映し出されると、おひさまの大声援とともにOh〜!のシンガロングが巻き起きて、色とりどりのサイリウムが揺れる光景が目の前に浮かんだ。七色のライティング演出によりいよいよ“OVER THE RAINBOW”のカウントダウンへ。ステージにスモークが吹き込まれると、一段高いステージ壇上に、モノトーンのセットアップによるジャンプスーツ衣装をクールにキメたメンバーの勇姿が現れた。

“HINATAZAKA”の電飾を前にしてのフォーメーションダンスでまず歌い上げたのは「青春の馬」。2コーラス目でステージに降りてきたメンバーが、列を作っては目まぐるしく入れ替わっていく。その姿は軽やかというより、随所で見せたジャンプが特徴的だがシャープで力強い。まさにメンバーの気迫を感じるものであり、五期生も含んだ新生・日向坂46が揃った瞬間。DAY1を経て、そのシルエットはますますたくましくなったのだろうと想像した。その上でやはり抜群の存在感を放ったのは、五期生が一旦退場しての「海風とわがまま」共々、エース・小坂菜緒ではなかったか。彼女の凛々しい佇まいが新体制に安定感を寄与していたのはたしか。髙橋未来虹仕切りのMCの流れもスムーズで、新キャプテンとしての頼もしさも感じた。

「海風とわがまま」「一生一度の夏」という爽快感あふれるサマーチューン連発は、おひさまのボルテージをますます上げていく。三期メンバー・上村ひなの先導で元気よくセンタ-ステージに駆けていった「一生一度の夏」での、360°ダンスのフォーメーションは、なるほどセンターステージの方が観応えがあり、後のMCでも明かされたが四期生にとっては初のパフォーマンス。ラストをニコニコのピースサインでキメて拍手喝采。「真夜中の懺悔大会」では花火が噴き出す中で左右の階段セットも使ってのダンスでも魅了。恒例の“懺悔コーナー”だが、DAY2では藤嶌果歩、富田鈴花、宮地すみれのジャンケンにより富田鈴花を選出。まさにこれが起爆剤となって「あの娘にグイグイ」では富田鈴花のアグレッシヴな魅力が開花。彼女に加えて髙橋未来虹、四期生の石塚瑶季、小西夏菜実、清水理央、竹内希来里、平岡海月、渡辺莉奈による13thシングルの“ひなた坂”選出メンバーが元気なパフォーマンスを見せる。人数が少ない分、各々のヴォーカルがより聴こえてくるし、センターステージでのダンスの動きものびのびとして大きい。その一方でステージ上でのアメコミ風の映像演出も楽しく、富田鈴花も次の14thシングルの活動をもって卒業が決まっているのがより寂しくなった。

さらにテクノポップナンバー「あのね そのね」では、小西夏菜実、清水理央、宮地すみれの四期生3人が、ステージ上に授けられたピンクのジャングルジムに腰掛けながら歌う印象深いシーンが。かと思えば、二期生・金村美玖、三期生・髙橋未来虹、山口陽世、四期生・平岡海月が再びセンターステージに飛び出して、ティンバレスが炸裂するラテンポップ「どこまでが道なんだ?」で華やかに歌う。4人それぞれへのおひさまの掛け声も楽しい。なおDAY1は此処で「夜明けのスピード」が披露されたようで、セットリストには手が加えられていた。

中盤でガラリとムードを変えたのは、日向坂46のもう一人のエース、金村美玖だった。ゾクゾクする荘厳なインストを背に、センターステージで繰り広げたソロダンスパフォーマンスが圧巻! 我らがヒロインがクラシックバレエ育ちならではの麗しい舞いを繰り広げたかと思えば、これが「月と星が踊るMidnight」の導入部となり三期、そして四期の選抜メンバーがスタンバイ、ロック魂を感じさせるパフォーマンス。“僕たちの世界は なんて美しいんだ”“誰に何を言われても 僕たちはまだまだ諦めない 過ちを恐れるな”と歌い上げる未来への賛歌は、まさに日向坂46の今を歌い上げたメッセージナンバーと言っていい。エンディングも金村美玖のダンスが締められたが、このときの彼女のせつなげな表情がまた良かった。

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